水道事業について
水道のしくみ
水道会計は独立採算制
水道事業の経営は独立採算制となっています。そのため、いくら赤字となっても、町の税金などで穴埋めすることは出来ません。すべて水道料金でまかなっています。
多額の工事費が必要
水道施設の建設、改良工事には資金が必要ですが、以前は起債(国などからの借入金)でまかなってきました。借入金は、当然のことながら元金に利息を付けて返済しなければなりません。今後は料金収入の伸びが少ないことが予測されるため、できるだけ自己資金で工事を行うよう努めます。
浄水場施設の共同設置
笠岡市、浅口市、里庄町の2市1町は、各市町で浄水場施設を建設すると膨大な建設費と維持管理費が負担になるため、共同で用水供給団体(岡山県西南水道企業団)を設立し、浄水を受水しています。
水道管のしくみ
水をお届けするために、公道に町が埋設した水道管を配水管といいます。配水管は町の所有物で上下水道課が管理を行っています。
配水管から家庭に引き込まれた給水管、分水栓、止水栓、メーター、蛇口などをひっくるめて「給水装置」と呼びます。「給水装置」は皆さんの所有物です。したがって、給水装置の管理は、皆さんにしていただくことになっています。ただし、配水管からメーターまでは運営上、上下水道課が管理します。
施設の維持管理、更新
水道事業は施設型産業と言われ、配水池やポンプ施設とともに町内には約101kmの配水管があります。里庄町では、昭和47年の給水開始以来約40年が経過し、今後さらに施設が老朽化していくため、施設を更新するための資金が必要となります。
現在は、下水道工事に並行して水道管の布設替えを行っています。
水道財政のしくみ
水道料金の流れ
安全な水を安定的にお届けするために必要な維持管理をする費用は、皆さんからいただく水道料金でまかなっています。また、水道料金収入の中から毎年少しずつ借りたお金の利息を返済しながら水道事業の経営をしています。
令和3年度里庄町水道事業会計決算の概要
令和3年度の水道事業決算状況は、収入総額 2億5,803万円に対し、支出総額 2億2,929万円で、差引2,874万円の純利益となっています。配水量は0.2%減少し、有収率は99.5%と0.1%減少しています。
収入 | 支出 | ||||
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営業収益 |
給水収益 |
227,045 | 営業費用 | 受水費 | 135,960 |
配水及び給水費 | 15,228 | ||||
受託工事費 | 12,863 | ||||
総係費 | 12,451 | ||||
減価償却費 | 50,208 | ||||
資産減耗費 | 1,147 | ||||
受託工事収益 | 12,863 | その他 | 689 | ||
その他営業収益 | 3,112 | 営業外費用 | 支払利息 | 742 | |
営業外収益 | 利息及び配当金 | 14,565 | 雑支出 | 0 | |
他会計補助金 | 450 | 特別損失 | 過年度損益修正損 | 3 | |
純利益 | 28,744 | ||||
特別利益 | 過年度損益修正益 | 0 | |||
合計 | 258,035 | 合計 | 258,035 |
収入 | 支出 | ||||
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工事負担金 | 工事負担金 | 4,110 | 建設改良費 | 配水設備費 | 57,076 |
出資金 | 他会計出資金 | 1,240 | 営業設備費 | 8,417 | |
補償金 | 補償金 | 4,131 | 企業債償還金 | 企業債償還金 | 10,785 |
内部留保資金 | 損益勘定留保資金 | 66,797 | |||
合計 | 76,278 | 合計 | 76,278 |
内部留保資金とは、減価償却費など、実際にお金の支出がない費用計上によって生じた資金のことを言います。主な建設改良工事は、下水道関連工事、道路改良工事に伴う配水管移設・新設工事等です。
今後、老朽化による施設更新のための再投資資金を確保するため、経営のさらなる効率化、伸展が望まれる状況です。
借方 | 貸方 | ||||||
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科目 | 金額 | 対前年比% | 構成比% | 科目 | 金額 | 対前年比% | 構成比% |
有形固定資産 | 1,296,863 | 101.1 | 79.6 | 企業債 | 7,153 | 69.5 | 1.1 |
無形固定資産 | 0 | 100.0 | 引当金 | 10,300 | 100.0 | ||
投資 | 3,461 | 100.0 | 固定負債(計) | 17,453 | 84.8 | ||
固定資産(計) | 1,300,324 | 101.1 | 企業債 | 3,133 | 29.0 | 2.4 | |
現金預金 | 271,363 | 93.9 | 20.4 | 預り金 | 16,194 | 101.7 | |
貯蔵品 |
4,736 |
95.7 | 未払金 | 19,488 | 49.7 | ||
未収金 | 42,147 | 91.7 | 引当金 | 859 | 100.5 | ||
前払金 | 15,752 | 107.7 | 流動負債(計) | 39,674 | 59.4 | ||
流動資産(計) | 333,998 | 94.2 | 長期前受金 | 373,210 | 98.4 | 22.8 | |
繰延収益(計) | 373,210 | 98.4 | |||||
自己資本金 | 1,075,409 | 102.2 | 65.8 | ||||
借入資本金 | 0 | 100.0 | |||||
資本金(計) | 1,075,409 | 102.2 | |||||
資本剰余金 | 54,174 | 100.0 | 7.9 | ||||
利益剰余金 | 74,402 | 109.3 | |||||
剰余金(計) | 128,576 | 105.2 | |||||
合計 | 1,634,322 | 99.6 | 100.0 | 合計 | 1,634,322 | 99.6 | 100.0 |
※再投資資金の確保のため、資産の伸び率3%を経営目標としている。(ただし、企業債償還終了後)
基本計画(里庄町水道事業ビジョン・経営戦略)
本町では、厚生労働省の新水道ビジョンの概念や、総務省の経営戦略の策定方針のもと、旧ビジョンの目標・施策などを踏まえて現状の分析・評価を行い、今後の課題や環境の変化に適切に対応するため、長期的な視点で新たな目標を掲げるとともに、実現に向けた方策を検討しました。
これらを集約して、今後も安全・強靱かつ持続的な水道事業経営を行っていくための施策として、里庄町水道事業ビジョン・経営戦略(計画期間:令和3年度~令和17年度)を策定しました。